古典制御 + 現代制御
古典制御論
1 序説
制御とはある対象物に何らかの働きかけをして、それを自分の思い通りに動かすこと
2 ラプラス変換
伝達関数の概念を確立するための数学的基礎
ラプラス変換で微分方程式が解けること、その物理的意味を解説する
基本的性質は覚えておけ
3 伝達関数
伝達関数は対象とするシステムや要素の入力から出力までの伝達特性を表現するための数学的道具であり、特にその周波数特性を解析するのに適している
G(s) = Y(s)/U(s)
伝達関数はインパルス応答のラプラス変換に等しい
1次遅れ要素
積分要素
2次遅れ要素
零点あり2次要素
比例要素
微分要素
無駄時間要素
などが基本要素
4 周波数応答性
与えられたシステムの入出力伝達特性を調べる1つの手法は様々の周波数の正弦波入力をシステムに加えてその出力応答を見ることであり、これは周波数応答法と呼ばれる
本章ではそのための周波数伝達関数について述べる
閉ループ系の周波数応答性を開ループ系のベクトル軌跡やゲイン位相線図から図式的に求める方法としてM-α軌跡とニコルス線図を紹介する
多くの異なる周波数の正弦波状入力に対する定常応答を測定し、入力信号と出力信号の間の振幅の比(ゲイン)および位相ズレ(位相差)の2つのデータを蓄積してシステムの特性を知る
プロパーな伝達関数をもち、その全ての極の実部が負であるという条件を満たすシステムに対しては周波数応答が測定できる
周波数応答特性を図式的に表示する方法がいくつかあり、ボード線図、ベクトル軌跡、ゲイン位相線図などがある
ボード線図
最小位相系とボードの定理
2つのシステムが同じゲイン曲線を持っていても、同じ位相特性を持つとは限らないが、全く関係がないというわけでもない
安定なシステムで不安定零点を持たないものを最小位相系と呼ぶことにする
ベクトル軌跡
周波数特性を角周波数の関数として正確に表示するという目的に関してはボード線図に及ばないが、次章で示すように制御系の図式的安定性解析法であるナイキストの安定性反Ⅱ熱法において威力を発揮する
ゲイン位相線図
ゲインのdBを縦軸に、位相を横軸にプロットしたもの
閉ループ系の周波数特性を知るのに利用できる
閉ループ系の周波数特性
開ループ系の周波数応答特性から直結フィードバックによって構成した閉ループ系の周波数応答特性を知りたい
このための方法がM-α軌跡法とニコルス線図法である
5 安定性
一般に制御系に対する最も基礎的な要求の1つは安定なことである
極の意味での安定性、ステップ応答に基づく定義、有界な入力に対する応答に基づく定義を示し、それらの意味と相互の関係を説明する、また同値であることを示す
そして安定性の判別法であるラウスとフルビッツの判定法を示す
またフィードバック制御系の図式的判別法であるナイキストの判別法について説明する
また安定性の程度の評価法について述べる
代数的安定判別法
ラウスの方法
フルビッツの方法
極零相殺が起きると安定性の判別で問題が生じるので、共通根のどちらかの値を少しだけ変更して対処することが多い
フィードバック制御系の安定判別法
ラウスおよびフルビッツの安定判別法はフィードバックループがあるかにかかわらずに安定性を判別する方法であった
ナイキストの安定判別法はフィードバック系の安定性を一巡伝達関数の情報から図式的に判別する方法であり、どの程度安定であるかも評価できる
フィードバック制御系の安定度評価
安定であるとわかったら、次は不確かさや変動に対してどの程度安定なのかか問題になる
このような安定性の評価の指標として、ゲイン余裕および位相余裕という概念を紹介する
6 根軌跡法
フィードバック系の一巡伝達関数のゲインを0から∞まで変化させたときに、そのシステムの極が複素平面状に描く軌跡を根軌跡という
システムの極はその安定性や過渡応答特性と密接な関係にあるためこの根軌跡によってゲインの大きさがシステムの特性に及ぼす影響を大掴みに理解するのに有効である
根軌跡の概念と定式化
制御系の特性を調整したいときに最も容易に変えられるパラメータの1つがループゲインである
よってループゲインが様々な値をとるときにシステムの全ての極の配置がひと目でわかればこのゲインがシステムの特性に及ぼす影響を大掴みに理解し、適切なループゲインを設定するのに有効であると考えられる
このような目的のために根軌跡法がある
根軌跡を描くには実際の値を詳しく計算しなくても根軌跡がもついくつかの性質を用いて概形をかくことができる
ゲイン条件と位相条件
ゲイン条件と位相条件は根軌跡が満たさないといけない2つの基本的条件である
根軌跡の性質
根軌跡の解析的性質を挙げる
1 根軌跡はn個の根に対応するn本の分岐からなり、実軸に対して対称となる、各分岐はKが変化するについれて極から出発し、零点に到達する、残りは発散する
2 無限遠に発散するn-m本はそれぞれある直線に漸近する
3 実軸上に極や零点がいくつか存在する場合、それらの極と零点を区別せずにまとめて右端の点から番号をつけるとき奇数番目と偶数盤目の間の線分は根軌跡の一部である
4 根軌跡が実軸上の根に対応するゲインは分岐点で極大となる
5 複素極から根軌跡が出発する角度は求められる
6 根軌跡が虚軸を横切る座標とその時のゲインは得られる
根軌跡の形状分類
ゲインの範囲を拡大して、-∞~∞で考えると簡単に分類ができるようになる
7 制御系の評価指標
制御系の性能を評価するための指標について説明する
過渡特性と定常特性の2つから行われ、過渡特性は安定性と速応性の2つに大別できる
これらの指標間の相対的重要度は制御対象の種類と制御目的によって変わってくる
過渡特性
過渡特性の代表的な指標には時間領域におけるものと周波数領域におけるものがある
時間領域の指標としては、減衰係数と自然角周波数がある
減衰係数は安定性の指標であり、自然角周波数は速応性の指標である
周波数領域の指標としては、ゲイン余裕、位相余裕、ゲイン交差角周波数などである
定常特性
システムが動き始めてから時間が十分に経ち、定常状態に落ち着いた時の特性を定常特性という
定常偏差は最終値定理を用いて求める
8 制御系の設計
制御対象の性質によって制御系は大まかにサーボ系とプロセス制御系に分けられる
サーボ系は機械システム、プロセス制御系は化学プラントを制御対象とする
本章ではこれらの制御系の基本的な設計法について説明する
サーボ系では、ゲイン調整、位相進み補償、位相遅れ補償、位相進み遅れ補償、フィードバック補償を説明する
プロセス制御系についてはPID制御を説明
また高度な設計法に関して2自由度制御系、感度関数相補感度関数、I+PD制御などの概念を説明
制御系の分類
サーボ系とプロセス制御系に分けられる
サーボ系の例として、交通機関、人工衛星、工作機械、ロボット、コンピュータなど
一般に機械システムの運動はかなり正確に解析したり計測できるので伝達関数や周波数応答特性を求めることが容易である
プロセス制御系については各種生産プラントが挙げられる
変数としては圧力、温度、流量など
サーボ系
サーボ系の制御しょうち設計法はフィードバック構成を基本
直列補償法に属するものとして、ゲイン調整、位相進み補償、位相おくれ補償、位相進み遅れ補償など
フィードバック補償法としては電源モータに速度フィードバックループをつけるもの
ゲイン調整法は出力の目標値からの偏差に適当なゲインを乗じたものを修正信号として付け加えることで出力を目標値に近づける
位相進み補償は位相進み補償と呼ばれる要素を制御装置の主要な部分として用いることにより適当な周波数領域で位相を進めるとともにそれより高周波域でのゲインを増大させ、定常特性にあまり影響を及ばさずに安定性及び速応性を向上させる
位相遅れ補償は同様に、適当な周波数までの低周波域でのゲインを増大させ、これを利用して過渡特性にあまり影響を及ぼすことなく、定常特性を向上させる
位相進み遅れ補償は上の2つを組み合わせて長所を生かす
フィードバック補償
系の一部分の特性改善を図る
電源モータの速度フィードバックが有名
プロセス制御系
プロセス制御系の設計法として、PID制御がよく知られている
プロセス制御系の特徴の1つは、制御対象の不確定性や変動が大きく、外乱の加わる可能性が高いことである
P制御、PI制御、PD制御、PID制御など
Kp、Ti、Tdを決定するために、ジーグラ・ニコルスの限界感度法及び過渡応答法を紹介する
高度化設計法
誤差信号をとる前の目標値信号rとフィードバック信号のそれぞれを別個の情報として利用することを考えればより高度な制御が達成できる可能性がある
よってrを処理する制御装置とyを処理する制御装置を考える必要が出てくる
感度関数と相補感度関数
ここでは耐外乱性と耐特性変動性の向上を目指したフィードバック補償器のより体系的な設計に利用することを目指して感度関数と相補感度関数を紹介する
I+PD制御
PID制御系の改良版である
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現代制御論
1 序説
制御対象
古典論は1入力1出力時不変線形システムが主な対象、現在制御論は他入力多出力システムを対象としている、また時変システムや非線型システムも扱う
扱う変数
古典論は入力変数と出力変数、現代論は各時刻におけるシステム内部の状態を表す状態変数を主要な変数として扱う、システム内部の構造について詳細な解析が可能となる
設計手法
古典論ではPID制御にするとか、位相進み補償を行うなどのように構造をあらかじめ定め、定常偏差、減衰係数、ゲイン余裕などの指標が満足できる程度になるように試行錯誤的にパラメータを選ぶ
現代論では、制御の目的の評価関数を数量化して、この評価関数に関して最適な制御系を設計する手法を与える
よって、現代論ではより複雑で多様な制御対象により厳密な解析と設計の手法を与えることができる
システムが可制御かつ可観測である時初めて制御装置の設計問題が意味あるものとなる
H∞最適制御は古典制御の有力な周波数整形法を状態空間上で解析的に解く手法を与える
2 状態方程式
状態変数、状態方程式、遷移行列、状態方程式と伝達関数の関係など
状態変数とシステムの状態方程式表現
古典制御ではシステム内部の状況には直接注意を向けていない
現代制御では各時刻におけるシステムの状態を重視する立場をとっている
状態変数を違うようにとっても等価な状態方程式表現が得られる
状態方程式の解
普通に解ける
遷移行列の算出
遷移行列の算出にはテイラー展開を利用することもできるが、ラプラス変換を用いる方法もある
伝達関数と状態方程式
伝達関数と状態方程式の関係について
状態方程式がわあかれば伝達関数は一意にわかる
非線型システム、時変システム、および離散時間システム
線形システムに近似することもできる
時変システムでは行列が時間の関数となる
離散時間システムはプリントで
3 可制御性と可観測性
可制御性と可観測性はシステムの基本的な性質である
可制御性とはシステムの入力を操作することによってその状態を思いのままに制御できるかという性質であり、可観測性はシステムの出力を計測することによってその状態を正確に知ることができるかどうかの性質
状態変数の正則変換である同値変換の概念を導入し、その変換をしてもシステムの可制御正、可観測性が不変であること、可制御なシステムが可制御正準形という標準的な状態方程式で表せることを示す
さらに時変システムの可制御性、可観測性の定義とその判定方法を述べる
可制御性
行列Mcを定義し、可制御であるための必要十分条件はランクがnであることである
可観測性
行列Moを定義し、同じようにランクがnであることが必要
同値変換
状態方程式は任意の正則行列を用いて同値変換できる
可制御なシステムに同値なシステムはやはり可制御
可観測なシステムに同値なシステムはやはり可観測
正準分解
任意に与えられたシステムを可制御性と可観測性の概念に基づいていくつかのサブシステムに分解した形に同値変換できることがしめさrotれる
カルマンの正準分解形
時変システム
時変システムの遷移行列はある条件を満たす
4 伝達関数行列と状態方程式表現
伝達関数の概念の多入力多出力システムの場合への拡張である伝達関数行列の考え方を紹介し、伝達関数行列と状態方程式表現との関係について述べる
状態方程式表現が与えられたとき、その伝達関数行列はシステムの可制御かつ可観測な部分のみの特性を表現するものであることを示す
また、伝達関数行列表現が与えられたときに、対応する状態方程式表現を求める問題を考え、これを実現問題という
伝達関数行列
1つの伝達関数に対応する状態方程式表現は無数にある
互いに同値なシステムに対する伝達関数行列は全て等しい
システムの伝達関数行列はシステムのカルマン正準分解形における可制御、可観測なサブシステムの係数行列によって表現される
実現問題
伝達関数が与えられた場合に状態方程式表現を求める者っっつ内を考える
これを実現問題という
有理行列が実現可能であるための必要十分条件は厳密にプロパーなことである
最小実現
実現問題が少なくとも1つの解を持つ場合には無限この解が存在することになる
これらの実現の中で状態ベクトルの次元数が最小であるものを最小実現という
ある実現が最小実現であるための必要十分条件はそれが可制御かつ可観測なことである
全ての最小実現は互いに同値である
最小実現のアルゴリズム
2つのアルゴリズムを示す
Moore
Gilbert
5 安定性
状態方程式で表されるシステムの安定性についてはいろいろな定義があるが、入力を加えないでシステムを放置した場合の状態の動きに基づくものとある条件を満足する入力を加えた場合の出力の動きに基づくものに大別できる
前者は内部安定性、後者は入力安定性と総称され、ここでは内部安定性について述べる
フルビッツの安定条件と、非線型でも使えるリヤプノフの安定性理論を紹介する
線形システムの安定性
入力をゼロとしたときに状態のノルムが時間の経過とともに0に収束するとき漸近安定であるという
フルビッツの安定条件
根を求めずに安定性をは判別する
これは古典制御でも出てきた
リヤプノフの安定性理論
リヤプノフの安定性理論は一般の非線型システムにも適用できる
平衡点が原点であるとする
1 リヤプノフ関数が存在
2 領域でリヤプノフ関数の微分が負定関数
線形システムに対するリヤプノフの安定定理
対象とするシステムを線形システムに限定すると新しい定理が得られる
安定性と可観測性
Qを正定としたが、可観測性に関するある条件を満たせばQが準正定であっても良い
6 極配置
システムの極は安定性のみならずシステムの過渡応答にも大きく影響を及ぼす
ここでは、適当なフィードバック制御を施すことで線形システムの極を複素平面状の望ましい位置に配置する問題について述べる
状態フィードバックによる極配置問題について説明し、任意の極配置ができるための条件を与え、希望の極配置を実現する状態フィードバック状態則を求めるためのアルゴリズムを与える
状態フィードバックによる極配置問題
状態xが直接計測できる場合を考える
状態フィードバックによる1入力システムの極配置
1入力システムが可制御であればあ状態フィードバックによって任意の極配置が可能となる
状態フィードバックによる多入力システムの極配置
多入力システムにおいても可制御であることが状態フィードバックによって任意の極配置が可能であるための必要十分条件を示せる
7 オブザーバ
状態が直接観測できない場合には状態フィードバックは使えない
そこで何らかの方法で状態を推定して、その推定値をフィードバックするという方法が考えられる
これ以外でも状態の推定値を得たい場合は多い
ここでは元のシステムの出力と入力の情報を用いて状態の推定値を求めるための推定値であるオブザーバについて述べる
最後に、状態フィードバック制御則とオブザーバを組み合わせた出力フィードバック制御系の性質について述べる
状態オブオーバの定義
行列Cに逆行列が存在するときはOK
p次元システムはその係数行列F,G,H,W,Vがある条件を満たすとき、そのシステムに対する状態オブザーバが存在する
同一次元状態オブオーバ
状態xと同じ次元数をもつオブオーダの1つを与える
任意に設定した極をもつ同一次元オブザーバが存在するための必要十分条件は対(A, C)が観測可能であることである
最小次元状態オブザーバ
推定したい状態変数がn次元であり、利用可能な出力がr次元なので、一般に状態オブザーバはn-r以上でなければその機能を発揮できない
本節ではn-r次元状態オブザーバの1つの構成法を与える
線形関数オブザーバ
システムの状態x(t)そのものではなく、その線型関数を推定することを考える
状態フィードバック則とオブザーバの結合
状態オブザーバによる推定値を用いてu=Kw+vとすることを考えるとフィードバック制御系が構成できる
8 最適制御
制御系設計の際には、与えられた目標状態に到達することが要求されるだけでなく、過渡応答や消費エネルギーを小さくするなどの設計仕様が一般的に与えられる
このような設計仕様の達成度を評価関数の大小により数量的に表し、その評価関数を最大、最小にする制御系を設計する問題を最適制御問題という
最適レギュレータと最小原理について説明する
最適制御問題
一般の非線型システムに対して最適制御問題を定式化する
システムに対して評価関数が与えられているとする
このときuの中で評価関数の値を最小にするものを求める
またその軌道を求める
動的計画法
DPは最適制御問題をハミルトン・ヤコビ方程式に帰着されるものであって、そこから得られる最適制御入力が状態フィードバックの形で与えられる
最適レギュレータ
従来から、ある出力変数をできるだけ一定値に保つことを目的とする制御装置はレギュレータと呼ばれているため特定の評価関数を最適化する問題は最適レギュレータと呼ばれた
最小原理
もう1つの代表的な解法が最小原理である
制御入力とそれに対応する軌道が最適であるための必要条件はuおよびxに対応してある3つの条件を同時に満たす関数が存在することである
9 H∞最適制御
前章では時間領域上で定義された評価関数を最適にする制御問題を考えた
一方、周波数特性に注目することも、制御対象に存在する不確実さを考慮して安定かするといった制御系設計に重要である
本章ではある種の周波数特性を設計指標とした最適制御問題について述べる
まず周波数領域上で評価指数を定義するためにH∞ノルムというノルムを導入する
次に一般的なH∞制御問題を述べ、その定義を与える
H∞ノルムの定義
安定な伝達関数に対してノルムを定義する
H∞標準問題
H∞ノルムはロバスト安定化問題と感度低減化問題に用いられる
これらの設計問題を統一的に議論できる制御問題を定式化する
H∞ノルムとリカッチ代数方程式
前説ではH∞ノルムを評価するのに直接伝達関数のゲインの最大値を計算したが、一般にはH∞ノルムを解析的に直接計算するのは難しい
ここでは、H∞ノルムの計算について状態空間表現に基づいた評価方法を述べる
状態フィードバックによるH∞制御問題の解
標準問題の特別な場合である状態フィードバックによるH∞制御問題の解を与える
補償器として静的な状態フィードバック則を考える
出力フィードバックによるH∞制御問題の解
状態フィードバックによるH∞制御問題の解を利用して出力フィードバックによるH∞制御問題の解を与える
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制御器設計
第1回 制御系設計の流れ




第2回 フィードバック系


第3回 PID制御




第4回 PIDゲインのチューニング




第5回 ループ整形による制御系設計





第6回 ループ整形による制御系設計







第7回 状態フィードバック制御






第8回 最適レギュレータ





第9回 サーボ系





第10回 オブザーバ







第11回 離散化





第12回 ロバスト制御の基礎




演習
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「クイック学習」
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「Pythonで制御」
Part1
制御とは何か
Pythonについて
Pythonライブラリ
設計モデル(状態方程式、重み関数、周波数伝達関数、伝達関数)
モデルの特徴(時間応答特性、周波数特性)
Part2
伝達関数モデルを用いた制御系設計(閉ループ系の設計仕様、PID制御、モデルマッチング)


Part3
ループ整形による制御系設計(開ループ系の設計仕様、位相進み・遅れ補償)
状態空間モデルを用いた制御系設計(状態空間モデル、状態フィードバック)
Moment-based Kalman Filter: Nonlinear Kalman Filtering with Exact Moment Propagation
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システムコントロール
System Control
本講義では機械システムを数理モデルとして統一的に取り扱う1つの方法について取り扱う.
具体的には古典制御論に基づき”線形”なシステムに対して,周波数領域・応答という考え方を導入して,システムの挙動がどのように表現されるのかを示す.
また数理モデルとして表現された機械システムを制御する際に,どのように”安定”に制御されるのかも論ずる.
0 Introduction 機械システムのモデリング
1 積分変換
1-1 フーリエ級数
1-2 フーリエ変換
1-3 ラプラス変換
1-4 ラプラス逆変換
2 線形系理論
2-1 伝達関数とブロック線図
2-2 一次系とその応答
2-3 二次系とその応答
2-4 周波数応答とボード線図
2-5 簡単な制御系
2-6 安定判別法
2-7 根軌跡
周波数領域で制御する
第1回 古典制御の概要
古典制御では線型なシステムに対して、周波数領域・応答という考え方を導入してシステムの挙動がどのように表現されるのかを示す
数理モデルとして表現された機械システムの安定性を判別し不安定なシステムをフィードバック制御によって安定化する制御についても解説する
バネマスダンパ系
システムの入出力関係を伝達関数という
台車に加わる力として周期的に変化する力を考える場合がよくある
例えば地震だと、建物の揺れをできるだけ小さくするようにdやkを設計する必要がある
この周波数に対する応答を周波数応答という
倒立ふりこの例として
システムが安定かは不安定かは伝達関数から決定でき、様々な安定判別方を学ぶ
システムが不安定な場合でもセンサによってθの値を計測し、目標とするθの値との誤差に基づいて入力を決めることで安定かできる
第2回 伝達関数・ブロック線図
長担当部分で知るべきこと
・伝達関数について
インパルス応答
ステップ応答
1次遅れ要素
2次遅れ要素
零点
極
線形化
近似微分
ブロック線図
・周波数応答特性
ゲイン
デシベル
位相角
ボード線図
ベクトル線図
ゲイン位相線図
線形時不変システムは入力の遅れがそのまま出力の遅れにつながる
線形時不変システムがシステム制御第一の対象
入力と出力の関係がインパルス応答を用いて畳み込み積分によって表現することができる場合がある
ラプラス変換をすると畳み込み積分がただの積になる
分母を次数、分母ひく分子を相対次数
分母を極、分子を零テン
伝達関数はインパルス応答のラプラス変換に等しい
ハンマーで叩けば良い
ハンマーで叩くような急激な入力を与えられないものは単位ステップを入力する
ステップ応答はインパルス応答の積分になっている
制御系の構成要素
A) 1次系
1次遅れ要素
積分要素
B) 2次系
2次遅れ要素
零点あり二次要素
慣性項が関係するので自動車・ロボットなどは2次系
C) その他
比例要素
微分要素
無駄時間要素
これらの組み合わせでいろいろなもの
m<n:厳密にプロパー
出力を出すために入力が必要
m<=n:プロパー
出力を出すために=からの入力が必要
m>n:プロパーでない
出力を出すために未来の入力も必要
1次系、2次系は厳密にプロパー
比例要素はプロパー
微分要素はプロパーでない
無駄時間要素は議論対象外
各モードの形は極piのみによって決まる
各モードの大きさは全ての極、零点の相対的な配置によって決まる
第3回 フーリエ解析、ラプラス変換
まあOK
第4回 周波数応答特性
周波数応答とは周波数を順次変えていった場合の正弦波状入力に対する定常応答
周波数応答が測定できる条件
1 プロパーな伝達関数
2 全ての極の実部が負
実部が負のものは時間の経過につれて減衰
G(iω)を周波数伝達関数と呼ぶ
周波数特性を表現する3つの方法
A) ボード線図
横軸が周波数の2つの図
B) ベクトル軌跡
周波数伝達関数を複素平面状にプロット
C) ゲイン位相図
横軸位相、縦軸ゲインのプロット
全ての要素について覚えておけ
第5回 伝達関数
いろいろな要素
第6回 周波数応答
one more
第7回 動的システムの安定判別法
制御の目的は制御量を目標値に安定に追従させることである
特に制御対象のシステムが不安定な時はフィードバック制御で安定かできる
ある有限時間内に有限範囲の入力を与えた場合、そのときの出力がある有限の範囲内に収まる時、システムは安定
特性方程式の根の実部が全て負のときシステムは安定
ステップ応答はG(s)/sをラプラス逆変換して求める
安定性を調べる方法としてラウスの方法とフルビッツの方法が知られている
本質的に同じようなもの
必要条件
システムが安定であるためには伝達関数の分母の係数が全て正であることが必要
全ての解の実部が負であれば自ずと係数は正になる
ラウスの安定判別法
ラウス表を作る
ラウス数列が全て正ならばシステムが安定
ラウス数列の+-反転回数 = 不安定極の数
システムが安定となる係数の範囲が決められる
フルビッツの安定判別ほう
正方行列を作る
Hkが全て正ならシステムが安定
極零相殺
2つの伝達関数が連結されたシステムの伝達関数を考えた時、分母と分子の共通項をキャンセルしてはいけない
システムにモデル化誤差があることがよくある
第8回 フィードバック制御と根軌跡
制御の目的として以下の4点が満たされることが望ましい
1 外乱の影響を抑制する
2 制御対象のモデル化誤差を低減する
3 システムが不安定であってもコントローラを適用することで全体として安定なシステムとする
4 目標値へよく追従する
今回はフィードフォワード制御とフィードバック制御について解説する
外乱がない時フィードフォワード制御
目標値と制御量の偏差をつかあって制御することも有効である
・フィードバック制御
外乱の影響を抑制できる
制御対象のモデル化誤差の影響を低減できる
不安定なシステムを安定かできる
・フィードフォワード制御
目標値への追従性を向上できる
根軌跡
コントローラが定数の場合にシステム全体の極の挙動を調べる方法を根軌跡という
k→∞とした時、特性方程式の根を複素平面状にプロットしたもの
高次の伝達関数については5つの性質を用いて根軌跡を描くことができる
1 極piからn本が出発し、m本が零点へ、(n-m)本が無限遠
2 無限遠に至る前筋線の角度は決まっている
3 実軸上においてその点の右側に実極と実零点が合計奇数個あればその点は根軌跡上にある
4 根軌跡が分岐または合流する点はある条件を満たす
5 複素極pjから根軌跡が出発する角度が決まっている
第9回 ナイキストの安定判別
一般的なコントローラのときに安定性を判別する
閉ループ伝達関数と開ループ伝達関数
開ループ伝達関数が不安定極を含む場合、ループを閉じて制御が機能すれば閉ループ伝達関数から不安定極をなくす、すなわち系全体を安定かすることができる
このように、閉ループ伝達関数と閉ループ伝達関数の不安定極を調べることがナイキストの安定判別の基本的な考え方である
開ループ伝達関数の周波数応答に基づいて閉ループ系の安定性を図的に判別する
特に、開ループ伝達関数の不安定極の数N0
閉ループ伝達関数の不安定曲の数Ncを利用する
Nc = 0なら安定
開ループ伝達関数の極piと閉ループ伝達関数の極riの関係が分かればN0からNが求められそう
実際、開ループ伝達関数の極piと閉ループ伝達関数の極は関連がある
具体的には閉曲線が原点を時計方向に回る回転数を用いる
前節まではw = 1+P(s)K(s)による軌跡を考えてきた
一方、v = P(s)K(s)を定義するとこれはwをみぎに1移動したものになる
つまり点(-1, 0)の周りをN回周ることになる
これをナイキスト線図という
ナイキストの安定判別法
1 開ループ伝達関数の極の中で実部が正の数 N0
2 開ループ伝達関数のベクトル軌跡を0~∞まで描いてさらに実軸に対称に描く
3 ナイキスト線図が点(-1, 0)を時計まわりに回る回数N
4 閉ループ系の不安定極の数はNc = N + N0
開ループ伝達関数が安定なあ場合、No=0なので、Nc=N、すなわち閉ループの不安定極の数はNに一致する
第10回 ゲイン余裕、位相余裕、PID制御
前回までの復習
システムの伝達関数が与えられた時、伝達関数の極の実部が負であればシステムは安定
解を求めるので半買う、実部の正負のみを調べる方法としてラウスフルビッツの安定判別方がある
Kを0→∞まで変化させた時、閉ループ伝達関数の解の軌跡を根軌跡という
P(s)に対し、K(s)を適用した場合、P(s)K(s)を開ループ伝達関数という
開ループ伝達関数でs=iωとし、-∞から∞まで変化させたときの軌跡をナイキスト軌跡という
あとゲインを何倍にできるかの指標をゲイン余裕といい、どれくらい位相を遅らせることができるのかの指標を位相余裕という
PID制御について
Pは仮想的なバネ
Dは仮想的なダンパ
最終値定理というものがある
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システム制御2
制御対象を状態方程式として表現する現代制御理論を中心に,状態量の推定・安定化および安定性解析について講義する.
・状態方程式
・可制御性・可観測性
・オブザーバとフィルタ
・状態フィードバック
・最適制御
・安定性
第1講 数学的準備
古典制御では、運動方程式を伝達関数の表現に変換してシステムを考える手法であった。これは計算機が発達していなかった時代に手計算でシステムの安定性を判別するのに有効な手法であり、古典制御と言われている。
計算機が発達することでシステムを時間領域のまま解析できるようになった。
主な対象:古典制御は1入力1出力システム、現代制御は多入力多出力システム
システム記述:古典制御は伝達関数、現代制御は状態方程式
古典制御は周波数領域、現代制御は時間領域
安定性の判別法:古典制御は伝達関数の分母=0、現代制御はリアプノフの安定性
制御機の設計:古典制御は根軌跡、PID制御、現代制御は状態フィードバック制御(最適レギュレータ)
直交行列
逆行列が転置行列である行列を直行行列と呼び、直交行列の行列式は1の絶対値である。
特に行列式が1の時は回転行列と呼ばれ、n次元空間の座標系の回転を表す
二次形式
x-TAxで与えられるスカラーを二次形式という。
Aが単位行列の時は二条のるむ
Aは対称行列に限定して良い
x-TAxが正ならばAは正定値
0以上ならば半正定値
負ならば負定値であるという
最適化問題の評価関数でも二次形式が利用される
・スカラ値を列ベクトルで微分すると行ベクトルが得られる
対称行列の固有値をλとするとλは皮膚実数である。λのルートを特異値という。
Λが大きい順に並んでいるとすると、λ-r(rはランク)よりも先のやつのλは全部0
特異値を対角成分に並べた行列を定義して、Σとすると、
A = UΣV-Tを満たす直交行列U,Vが存在してこのような分解を特異値分解という。
指数関数を行列指数関数に拡張できる。
ベクトルに関する一回の微分方程式の解は同じように行列を使ってかける
第2講 状態方程式
古典制御とは異なり、制御量だけでなく、内部状態を表す変数を含むベクトルを定義することで高次の微分方程式を一回の微分方程式に落とし込むことで制御を考えるのが現代制御の特徴である。
Dx/dt = Ax + Buを状態方程式といい、ベクトルxを状態変数という。
最終的な出力を表す方程式を出力方程式という。
x(t0)はt0以前のすべての時系列の情報をまとめたものであり、t0におけるシステムの情報を余すことなく捉えているので状態という名前がつけられている。
3解の公式
第3講 可制御性と可観測性
可制御性:ある状態方程式で与えられたシステムの状態xを0にで切るかどうかを可制御性と呼ぶ。
可制御性行列のランクで可制御性は判定する。
可到達性:状態をある所望の値に到達させることができるかという可到達性も知られている。これは同値。
可観測性:yの情報しか観測できない状況でxのすべての情報を推測できるかどうかという性質を可観測性と呼ぶ。
可観測性行列で判定する
双対性
可観測性と可制御性は双対である
同値変換
状態方程式の同値変換について
最適レギュレータとカルマンフィルタも双対な関係がある
第4講 状態方程式と伝達関数
伝達関数から状態方程式を求める問題を実現問題と呼ぶ。本講義では、その概要を説明する。
ただの式変形
可観測正準系
最小実現
ある状態方程式が最小実現であるための必要十分条件はそれが可制御かつ可観測であること
ある状態方程式から伝達関数が極零相殺を起こさなければ元の状態方程式は最小実現
状態方程式では伝達関数の表現では判断できない特性が見えてくる
第5講 安定性
有界入力有界出力安定
ある有限時間内に有限範囲内の入力を与えた場合、そのときの出力がある有限範囲内に収まるとき、システムは安定である
Aの固有値の実数部分が負であればxは平衡点に漸近収束する
上記の安定性よりもゆるい安定性の定義としてリアプノフの安定性がある
t→∞のとき、xがある有限範囲内に収まるとき、システムはリアプノフの意味で安定である
システムが可制御かつ可観測であればAの固有値と伝達関数の極が一致する
したがって有界入力有界出力の条件と漸近安定の条件は一致する
非線型システムを含む一般的なシステムの場合には力学的エネルギーを明確に定義できない場合もあるが、エネルギーと同様にある性質を満足する関数を定義することでシステムの安定性を考えることができた
システムが漸近安定である = リアプノフ関数が存在し全てのxにおいて時間微分が負である
リアプノフ方程式を用いた安定判別
システムが漸近安定であるための必要十分条件は任意の半正定値行列Qに対して、リアプノフ方程式の解Pが正定値行列としてただ1つ得られることである
行列Aの固有値を求める問題はその特性方程式を解く問題であり、古典制御と同様、次数が高くなると高次の代数方程式を解く必要がある
一方、リアプノフ方程式は行列に対する線型な方程式であり、比較的簡単に解ける
システムが漸近安定でリアプノフ方程式の解が一意に定まるとき、その解を与える方程式がある
第6講 状態フィードバック
フィードバック制御について
現在制御では状態変数に対してフィードバックを行うことで内部状態を陽に含めてシステムを安定かすることができる
状態フィードバックの設計法として、極配置法と最適レギュレータについて概要を紹介する
平衡点に対するフィードバックコントローラはレギュレータと呼ばれる
状態フィードバックを適用したシステムの安定性は新たな行列によって決まる
平衡点が原点ではない場合、座標変換をすれば原点を平衡点にすることが出来る
フィードバック系の行列の固有値はシステムの極に等しかったのであらかじめ所望の極を与え、そのようなフィードバックゲインを求める設計法を極配置という
これまでに学んだように、複素平面の左半面に極を配置すれば良い
実軸に対して対称な範囲で任意の極配置が可能
⇔システムが可制御
最適レギュレータ
コントローラの設計ではシステムが安定かどうかだけでなく、その時間的な応答性も問題になる
古典的なアプローチから発想を変えて、時間的な応答を直接評価してフィードバックゲインを設計することも考えられる
評価関数を最小化する入力を与える状態フィードバックはある形で与えられることが知られていて、これを最適レギュレータという
ここで、行列Pはリッカチ方程式の解である
最適レギュレータのように何らかの評価関数を最適化することで入力uを求める方法は最適制御と呼ばれる
状態方程式が一般の場合は変分法を考える
第7講 オブザーバ
前回説明したあ状態フィードバックではCが単位行列でy=xとしてxの全ての要素が出力として観測可能であることを前提としていた
通常はyはxの一部の情報しか持っていない
そのような場合には観測されるyの値からxを推定することが必要となる
yを用いたxの推定器はオブザーバと呼ばれる
今回はその中でカルマンフィルタについて説明する
オブザーバは状態方程式の知識を使ってもっともらしいxを求めること
コピーされたシステムの挙動を修正することにより推定精度を向上させるというのがオブザーバの基本的な考え方
オブザーバと可観測性
オブザーバを設計するにはA-GCの極を自由に配置できることが望ましい
状態フィードバックとオブザーバの間にも双対な関係がある
オブザーバの一般系
オブザーバと状態フィードバックの結合
状態フィードバックとオブザーバの間には双対な関係があることを述べた
最適レギュレータに対応するものがカルマンフィルタである
カルマンフィルタを説明するには離散システムが都合が良いので、離散システムを考える
第8講 離散時間システム
実際に機械システムを制御する場合は計算機上で制御則を実装することが多く、計算機上では連続的な信号をデジタル信号に変換して実装することになるので、差分方程式を考える。
0次ホールドによる離散化を紹介する
オイラー近似による離散かも紹介する
周期的な信号を離散化する場合にはサンプリングタイムに注意が必要
サンプリングタイムを長くしすぎると元の信号の周波的特徴が見えなくなり、これをナイキスト周波数という
離散時間システムの安定性
漸近安定であるための必要十分条件はAの固有値が単位円内にあることである
第9講 離散時間システムの性質と最適レギュレータ
今回は、これまで学んできたシステムの安定性、可制御性、可観測性、最適レギュレータを振り返り、離散時間システムにおいて理解する。
離散時間システムが漸近安定であるための必要十分条件はAの固有値が単位円内に位置することである。
極配置:離散時間システムについて状態フィードバックを行い、極配置法によって状態フィードバックゲインを設計する場合は極を単位円の内部に配置すれば良い。
可制御性と可観測性
離散時間システムでは可制御性と可観測性の条件が連続時間システムよりも簡単に導ける
リアプノフ方程式の安定性判別も使える
最適レギュレータ
評価万数の代わりにそれを離散化したようなものを考える
最適性の原理を使うと、DPで入力が求まることがわかる
動的計画法は後ろから求めていく
第10講 カルマンフィルタ
カルマンフィルタは要するに、予測の誤差を最小にしようとしてるだけである
最適レギュレータとカルマンフィルタは双対な関係にある
カルマンフィルタは離散時間システムにおけるオブザーバである。
カルマンフィルタは推定誤差の共分散の期待値を最小化するオブザーバである。
第11 モデル予測制御と最適化
状態フィードバック、オブザーバにおいて評価関数を最小化するものとして最適レギュレータとカルマンフィルタがあり、それらのゲイン行列は双対なリカッチ方程式を解くことで求められることを示した。
前回までの講義では考慮していなかったが実際の制御では入力や状態変数に拘束条件が存在する。これらの拘束条件の多くは線形の不等式で表せる。
モデル予測制御を考える場合は、連続時間システムよりも離散時間システムで考えた方がわかりやすい。
これは現在の初期値が与えられた時に将来の時刻の状態を状態方程式を使って予測していることを意味する
したがって、二次計画問題に帰着される
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・古典制御
伝達関数を用いて制御をする。PID制御は今でも主力である。
・現代制御
状態方程式を用いて制御をする。可制御性・可観測性、最適レギュレータなどが代表的な成果物。
・線形システム論
線形システム論は線型の常微分方程式で表された状態方程式を対象とした制御理論である。非線型システムであっても平衡点近傍で線形近似したものを対象に制御系を設けることで解決する問題も多い
・システム同定
システム同定は現に制御対象となる系の測定データをもとに、主に統計的手法を用いて系の挙動を代表する数理モデルを同定することである。
・最適制御論
最適制御論は評価指標を与え、それを最小化することで最適な制御系を与えることを目的とした理論である。
これらの線形システムを対象とした現代制御論は1980年代に完成し、そのあとはモデル化誤差に対して有効な制御系設計の問題に移行した。H∞制御が最も実用化が進んでいると言える。
・H∞制御
H∞制御は外乱信号の影響を抑制する制御系を構築するための理論である。制御対象の不確定な部分を外乱信号として扱うことでモデルの不確かさの影響を抑制する制御系となる。
・知的制御
知的制御とはソフトウェアアルゴリズムを使用した情報工学を発祥とした制御手法である。他の制御理論との最も大きな考え方の違いは、制御モデルやコントローラを構築する際に物理的性質に基づく情報を必要としないところである。
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ControlEngineering
1 Introduction
control means a specific action to reach the desired behavior of a system
control methods should be used whenever some quantity must be kept at a desired value
2 Description of Continuous Linear Systems in the Time, Operator and Frequency Domain
3 Description of COntinuous-Time Systems in State-Space
4 Negative Feedback
5 Stability of Linear Control Systems
6 Regulator Design in the Frequency Domain
7 Control of Stable Processes
8 Design of Conventional Regulators
9 Control Systems with State Feedback
10 General Polynomial Method for Controller Design
11 Sampled Data Control Systems
12 Sampled Data Controller Design for Stable Discrete-Time Processes
13 Design of Conventional Sampled Data Regulators
14 State Feedback in Sampled Data Systems
15 General Polynomial Method for the Design of Discrete-Time Controllers
16 Outlook
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「Control Engineering MATLAB Exercies」
1 Introduction to MATLAB
2 Description of Continuous Systems in the Time-, Operator- and Frequency Domains
3 State-Space Representation of Continuous Systems
4 Negative Feedback
5 Stability of Linear Control Systems
6 Design in the Frequency Domain
7 Control of Stable Continuous Processes, YOULA Parameterization
8 PID Regular Design
9 State Feedback Control
10 Generall Polynominal Method for Regulator Design
11 Analysis of Sampled-Data Systems
12 Discrete Regulator Design for Stable Processes
13 Design of Discrete PID Regulators
14 State Feedback in Sampled Systems
15 General Polynomial Method to Design Descrete Regulators
16 Case Study